自律神経失調症は全身の様々な症状を引き起こす可能性があります。
もしかしたら自律神経失調症かも?と思われている方は下記チェックリストを行ってみてください。
まずは自律神経失調症チェック
該当する項目がいくつあるか、数えてみましょう。
- 慢性的な首のコリや頭を締め付けるような頭痛がある。
- 頭の位置が変わる時にふらっとすることがある
- 息苦しさを感じる時がある
- 人が多いところに行くと立っていられない時がある
- 何もしていなくても心拍数が上がることがある
- 手足が異常に冷たくなることがある
- 特定の状況で体調不良を感じる
- 胃腸の不調を感じることが多い
- 食欲異常を感じることがある
- 寝付くまでに30分以上かかることが度々ある
- 寝ている時に夢を見ていることが多い(睡眠が浅い)
- 光をまぶしく感じて目を閉じたくなる時がある
- 顔や手だけに汗をかく
- のどに何か詰まっている感覚がある
- 風邪ではないが咳が出る
- 雨が降る前には体調が崩れやすい
- 電車や車などに乗ると不調が現れる
- 顎周りの不調やろれつがまわらない
- ストレス状況を考えるだけで心拍数が上がる
0-1個 自律神経機能は正常
2-3個 自律神経に負担がかかっていることが考えられます。
4-6個 自律神経に問題が起こり始めている可能性があります。
7個以上 自律神経機能に問題があることが考えれらます。医療機関を受診することをお勧めします。
当てはまる項目が多かった方は、自律神経失調症に対する対策が必要かもしれません。
当サイトは自律神経失調症の対策や治療などをご紹介しております。参考になれば幸いです。
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自律神経失調症の主な原因
自律神経失調症は様々な要因が絡み合って発症する事が多くあります。代表的な要素にストレスや生活リズムの乱れ、食生活の問題、運動関連、気温や天候変化に適応できないなどの体質的要素、引っ越しなどの生活環境の変化があります。
これらの発症要因が2つ、3つと絡み合って自律神経失調症が発症することが多くあります。
慢性的なストレスが問題に・・・
ストレスも短期間であれば大きな問題にはならないことがほとんどです。ですが多くの場合でストレスが加わるのは短期間では終了しません。そのため長期間のストレスが加わり続けることによって身体の不調が引き起こされてしまいます。
これが自律神経失調症が発症する流れです。
自律神経失調症ってどんな病気?
自律神経失調症の最大の特徴は、自律神経バランスの検査以外の検査を行っても異常が見つかることはない事です。そして原因が見つからない事もストレスとなり自律神経失調症を悪化させることも少なくありません。
さらに自律神経機能検査を行う医療機関が少ないことから、自律神経失調症と認識されるまでに時間がかかることで症状が固定され、症状改善までに時間がかかってしまうことも少なくありません。
レントゲンやMRI、CTスキャン、内視鏡等の検査で異常が見つかる場合には自律神経機能の問題ではなく構造上の問題です。このような状況は自律神経の問題ではなく臓器の問題であるため臓器の治療が最優先で自律神経の治療を行っても症状が改善することはほとんどありません。
まずはご自身の状況を正確に把握することが大切です。
自律神経失調症で認められやすい症状
自律神経失調症は精神症状と身体症状の両方が認められます。代表的な症状をご紹介いたします。
身体症状
- 疲労感(身体を動かしていないけどつかれている感覚)
- 緊張性頭痛や偏頭痛(血管拡張性頭痛)
- 動悸
- 睡眠障害(不眠:入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒)
- 便の問題(過敏性腸症候群:便秘・下痢・ガス)
- 尿の問題(頻尿・残尿感)
- 原因不明の微熱
- 顎関節周辺の痛み
- 手足のしびれ
精神症状
- 特に原因なくイライラする
- うつ様症状(やる気がでない・落ち込み・不安)
- 感情の起伏が激しい
- 焦燥感
自律神経失調症4つのタイプ
自律神経失調症には4つのタイプがあります。
本態性自律神経失調症
子供のころから自律神経機能を調整する能力が低い体質の方が当てはまります。
虚弱体質の方や低血圧の方が多く、子供のころに朝礼でふらついたり、車酔いをしやすかったり、ひどい場合には起立性調節障害などが認められる場合もあります。
体質的な問題があるため、自律神経失調症の発症にストレスは関与しないことがほとんどです。そのため対策を行うとしたら日常生活を整えることになります。
神経症型自律神経失調症
感受性が豊かで気になることがあると体調を壊しやすいタイプの自律神経失調症です。
ストレス環境から離れることが最も有効ですが、現実的にむつかしい場合には思考パターンの分析などでストレスの捉え方を変化させたりすると改善しやすい傾向があります。
心身症型自律神経失調症
日常的なストレスが自律神経失調症を引き起こすタイプで、最も多く認められます。神経症型と区別できない事も多くあります。
ストレスに対する対策と日常生活、自律神経機能の調整が改善には必要となります。
抑うつ型自律神経失調症
心身症型自律神経失調症が悪化した状態とも考える事ができるのが抑うつ型自律神経失調症です。このタイプはうつ症状が認められ身体的にも様々な症状が認められます。
心身症型から抑うつ型に移行するまでに長期間経過しており、症状が固定から悪化となっているため改善にも時間が必要なことがほとんどです。
多くの場合で、心身症型自律神経失調症の段階で対症療法だけを受けて悪化しており投薬治療の効果も減弱しています。
1か月以上継続する症状があれば迷わず医療機関を受診しましょう。
多くの疾患は2~3週間もあれば症状が改善します。それにもかかわらず症状が続く場合には迷わず医療機関を受診されることをお勧めします。
受診するのは何科?
受診するのは今現在気になっている臓器に当てはまる科目を受診すると良いでしょう。
- 目の症状 ⇒ 眼科
- 内科症状 ⇒ 内科
- 頭部症状 ⇒ 脳神経外科
特別な診療科目をお選びいただく必要はございません。まずは臓器などの構造物に異常がないことを確認することが大切です。
受診して症状が現れるほどの異常が認められなかった場合には自律神経失調症の可能性があります。そのような場合には自律神経の状況を把握する為にバランス計測を受けると良いでしょう。
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自律神経失調症の治療法
自律神経失調症を改善するために現在行われている代表的な治療法は、投薬治療(薬物療法)、鍼灸治療、磁気刺激療法が、カウンセリング療法です。
治療法の決定は自律神経失調症の4つのタイプによって適・不適があるのでご自身の自律神経失調症のタイプと状況に合わせた治療を選択することが大切です。
投薬治療
投薬治療では、安定剤やSSRI、SLRI、睡眠導入剤など対症療法が主体です。
投薬治療の大きな問題は、身体が薬に慣れてしまうと効果が薄れるため投与量がどんどん増えてしまうことです。さらにこの状態になると薬に対する精神的・身体的依存度が高まり、症状が改善しても薬をやめることができない方も現れます。
患者さん自身が投薬治療は対症療法であることを認識して治療を受けることが大切です。特に本態性自律神経失調症の場合には、症状改善・再発予防に自分自身で体を強くする必要があるため長期間の投薬治療は問題となることが少なくありません。
鍼灸治療
鍼灸治療は東洋医学的な治療法で、副作用のない治療法です。
東洋医学では、”心と身体は1つ”と考えます。この考え方から心身症型自律神経失調症や神経症型自律神経失調症、抑うつ型自律神経失調症の症状改善や再発予防に有効な治療法と言えます。
さらに本態性自律神経失調症の方の体質改善や日常のケアとしても有効と考えらえています。
磁気刺激療法
磁気刺激療法はアメリカで行われている最先端の治療法です。すべての自律神経失調症のタイプに適応可能で、副作用のない治療法です。治療に痛みを伴うことは一切ありません。
身体の中に金属やペースメーカーが入っている患者さんには行うことができません。
カウンセリング療法
神経症型自律神経失調症に有用なのがカウンセリング療法です。カウンセリング療法というと、昔に○○があった、など過去の事を話すイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。この方法は古典的カウンセリングと呼ばれる方法で今回お勧めするのはこの方法ではありません。
カウンセリングの手法の中でも、認知行動療法と呼ばれる方法です。認知行動療法によって、”どのような時”に”どのような反応”をするのか?そして、その”根底にある考え方や価値観は何か?”を探し出し症状の改善をめざします。
神経症型自律神経失調症以外のタイプには効果が認められない事も多いのがカウンセリング療法です。