顔面神経麻痺とは、第7脳神経である顔面神経の運動線維により支配されている筋肉の運動麻痺がおこる疾患です。麻痺の程度や障害される部位によって症状や後遺症は異なると考えられています。
顔面神経麻痺で最も多いのはベル麻痺で約60%、次に多いのがハント症候群で約20%、この2つのパターンで80%以上を占めます。
顔面神経麻痺の原因
顔面神経麻痺の原因として多いのがヘルペスウイルスと考えられています。そのためヘルペスウイルスに対して適切な対処を早期に行う事で顔面神経麻痺の予防も可能です。このタイプは耳鼻科や脳神経外科を受診してください。
その他、聴神経腫瘍、側頭骨骨折、耳炎性、原因不明で顔面神経麻痺を発症する方もいらっしゃいます。
問題となるのが耳鼻科や脳神経外科を受診しても原因が特定できなかったタイプです。このタイプは原因に対する対処ができないため後遺症を残しやすい傾向があります。
顔面神経麻痺の症状
顔面神経に支配されている筋肉の動きが障害されます
代表的な症状として
・眉が下がり上がらない
・目がうまく閉じない
・口を動かすと一緒に瞼が動く
・歯科で麻酔をした時のようにうがいをすると水がこぼれる
上記の症状が代表的な症状です。これらの症状も初期治療を適切に行う事で、多くの方が回復までの期間はそれぞれですが後遺症を残さず元の状態に戻ると考えられています。
顔面神経麻痺の早期回復に向けて
顔面神経麻痺によって、表情筋の運動障害が残ってしまった場合には治療を受けることが大切です。いったん硬くなった顔面部の筋肉は自然緩解が困難なことも少なくありません。できればそうなる前の治療開始が理想的です。さらに動かせなくなった表情筋の筋力低下も問題となります。
硬くなった表情筋のマッサージや温熱療法もありますが、短期間試して効果が現れない場合には治療法を変更する事が必要です。発症からの期間が長くなればなるほど改善に要する期間も長くなる傾向があります。
顔面神経麻痺治療
当院では、原因不明で発症した方と茎乳突孔以降での圧迫による顔面神経麻痺の治療に対応しており鍼灸治療、自律神経免疫療法を行っています。脳腫瘍などの問題が見つかっている場合には治療を行う事は出来ません。
顔面神経麻痺は原因は様々ですが、顔面神経から支配される表情筋の間で神経伝達が正常になされず活動電位が到達しないことによって発症しています。この状態を回復させるために、神経⇒筋促通法の理論を基にした鍼灸治療を行います。
顔面神経麻痺のパターンをわかりやすく説明します。あなた自身の顔面神経麻痺のパターンを理解することによって、有効な治療法や無意味な治療法をあなた自身が判断できるようになります。
神経筋促通法によって表情筋の活動レベルを上げた治療効果の維持と麻痺の改善後に再度運動レベルが低下する事を防ぐため、一人一人にあった日常でのセルフケアや体操やトレーニングを提案しています。
希望される方にはサプリメントなどの提案も行っております。
2012年 アメリカ合衆国オバマ大統領からGOLD AWARD
2015年 国連機関のWHF(World Human Facilty Community)から鍼灸スペシャリスト認定
世界に認められた実力と自負しております。
当院での顔面神経麻痺治療の流れ
女性の方も安心!
顔面神経麻痺治療に来られる方の51%が女性です。
【顔面神経麻痺の鍼灸治療に来院されている方の年齢】
40歳代 … 9%
50歳代 … 31%
60歳代 … 44%
70歳代 … 16%
(1)問診票のご記入
問診票のご記入いただく時間としてご予約の10分前のご来院お願いしております。
問診票にはお分かりになる範囲でできるだけ詳細にご記入ください。
(2)カウンセリング
記入していただいた問診票をもとに、
『発症から今までの筋肉の動きに変化はありますか?』
『顔面神経痛の発症原因はお分かりになりますか?』
『顔面神経痛に併発した症状はありますか?』
『主治医の先生からはどのように指示されていますか?』
などをお尋ねいたします。
(3)検査
痛みの領域と誘発要因のチェックをいたします。
チェック
〇茎乳突孔以降の圧迫ポイントを確認
〇表情筋の筋力の確認
〇眼輪筋の動きを確認
〇首の筋肉の状況を確認
等のチェックを行います。
その他、状況によっては自律神経の機能を確認する為に自律神経バランス検査を行う事もあります。
(4)説明
カウンセリングと検査をもとに、現在の顔面神経痛の状況を把握できた問題点と、これから行う治療内容をていねいに分かりやすく説明いたします。施術方法などわからない事があれば何でも相談・質問してください。
(5)顔面神経痛の治療
顔面神経痛の治療では、症状に合わせて鍼灸治療の方法を選定・自律神経免疫療法を行います。
鍼灸治療は”痛い”というイメージがあると思います。当院では、髪の毛ぐらいの太さの鍼を使用しますので痛みはほとんどありません。使用する鍼はすべて日本製の使い捨ての鍼ですので、感染症のリスクはなく安心して治療を受けることができます。
『このような治療を受けたい』等の御希望がある場合には、お気軽にご相談下さい。症状に適応可能であればその治療法で治療を行います。
(6)説明
顔面神経麻痺は、日常生活に大きな影響を与える疾患です。顔面神経痛の状態に合わせて御自宅で行う事の出来るセルフケアをアドバイスさせていただきます。
当院では、『患者さんに解り易い説明』をモットーにしています。わかりにくいところがあれば、何でもお気軽に質問して下さい。
顔面神経麻痺の鍼灸治療
鍼灸治療は当院が自信を持ってお勧めする治療法です。 顔面神経麻痺は表情筋に神経伝達が正常に行われないことによって発症する疾患です。茎乳突孔以降で顔面神経が圧迫されている可能性がある部位への治療により圧迫を解消する事で根本改善をサポートいたします。
多くの症例で神経伝達が行われないことによって表情筋の筋力低下も発生いたします。筋力低下が起こると神経からの活動電位が回復してから表情筋の筋力回復の流れになるため、正常に筋肉が動き出すまでに時間がかかってしまいます。それを避けるために表情筋への神経筋促通法を同時に行う事で筋力を維持し、完全回復までの時間を短縮します。
当院で行っている鍼灸治療は、東洋医学概念を基本に西洋医学の良いところやこれまでの顔面神経麻痺治療の経験を取り入れ、神経の圧迫ポイントや表情筋の筋力状況に合わせて、東洋医学的鍼灸治療・電気鍼・神経筋促通法の中で必要な方法を全て選択し治療を行います。症状に合わせて行いますのでご安心ください。
顔面神経麻痺の治療を行う場所は、顔面部・頸肩部が中心となります。使用する鍼(はり)は太さが0.2㎜前後の髪の毛と同じぐらいの太さの針を使用します。
顔面神経麻痺治療料金
鍼灸治療 6600円
鍼灸治療によって活動電位が遮断されている部位以降の神経の圧迫の解消と筋肉に対して運動調整を行い、自律神経免疫療法によって自律神経のバランス調整と血流改善を目指します。
治療内容:茎乳突孔以降の神経圧迫ポイントと運動が行われていない筋肉をメインに治療を行います。
治療時間:目安は40分程度
総合治療 11000円
鍼灸治療と自律神経免疫療法は同様で、カイロプラクティック療法を追加で行います。目的は頸部の筋肉の過緊張状態を改善する事で頸部の違和感やこわばりの解消を目指します。
治療内容:鍼灸治療は同様で、カイロプラクティック療法で骨盤~背骨のバランス修正を行います。状況によっては足の骨格バランスを見直すこともあります。
治療時間:目安は60分程度
※初診時には初診料が別途4400円必要となります。
※院長希望の場合には別途1100円が必要です。ご希望の場合には、ご予約の際お伝えください。
顔面神経麻痺治療Q&A
Q.なぜ顔面神経麻痺にカイロプラクティックを主体に行わないのですか?
A.顔面神経麻痺は原因は様々ですが、病態は神経伝達ができないことによって表情筋が動かなくなっています。顔面神経は脳神経であり頭蓋骨内から茎乳突孔(顎の後ろ)を通り顔面部に走行し、背骨の中を通る事はありません。このような状態に対して背骨のゆがみを矯正しても早期回復は望めません。当院では1日でも早く症状の回復を目指すため鍼灸治療を主体に行っております。
原因不明で発症した場合には顔面神経麻痺の状態が改善した後に、全身のバランスを見直すことは有効であると考えています。根拠となるのは、”原因が不明である”という事です。原因不明という事から考えられるのは、血流・自律神経・体のバランスの3つが関与している可能性があるという事です。顔面神経痛の鍼灸治療を行う際に血流と自律神経の働きにはアプローチを行い改善が期待できます。残っているのが体のバランスであるため、顔面神経痛の改善後にカイロプラクティックを行う事は有用であると考えます。