症状とセルフケアの健康コラム

鍼灸師・柔道整復師が、身体の痛み・しびれ・自律神経の不調、セルフケアについて分かりやすく解説します。

十二経脈とは?流れ・順番・陰陽・表裏関係を詳しく解説

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十二経脈とは?
身体を巡る順番と表裏関係

肺経から肝経までの12経脈を、手足・陰陽・五行・流注・経穴数の一覧で整理します。

陰経6本陽経6本表裏6組合計309穴

十二経脈は、東洋医学で経穴の所属、身体各部のつながり、気血の循環、施術方針を整理する基本的な枠組みです。手の三陰経・三陽経と、足の三陰経・三陽経から構成されます。

経脈は現代医学の神経、血管、リンパ管、筋膜のいずれか一つと同じ構造を指す言葉ではありません。本記事では伝統理論としての内容と、現代の安全な読み方を分けて説明します。

⚠️ 経脈名だけで臓器の病気は診断できません

「肺経に反応があるから肺が悪い」「肝経が張るから肝機能が低下している」とは判断できません。病名の診断には症状、診察、血液・画像検査などが必要です。急な強い症状は経穴刺激より医療機関を優先します。

十二経脈の意味と役割

🧭 身体のつながり

体表と臓腑、上半身と下半身を結ぶ伝統的な経路として説明されます。

📍 経穴の所属

経穴をLU・LI・STなどのコードと経脈別に整理できます。

🪡 配穴の考え方

局所、遠隔、表裏、同名経など複数の関係から経穴を選ぶ手掛かりになります。

経脈は、古典の観察・診療体系を整理するためのモデルです。身体に目で見える一本の管が存在するという説明ではなく、経脈図の線と神経走行が一部重なることだけで両者が同一ともいえません。

十二経脈を個別に詳しく見る

十二経脈が循環する順番

古典では、気血は肺経 → 大腸経 → 胃経 → 脾経 → 心経 → 小腸経 → 膀胱経 → 腎経 → 心包経 → 三焦経 → 胆経 → 肝経の順に巡り、再び肺経へ戻ると説明されます。

順 経脈 正式名 コード 経穴数 子午流注 次の経脈
1 肺経 手太陰肺経 LU 11 午前3時~5時 大腸経へ
2 大腸経 手陽明大腸経 LI 20 午前5時~7時 胃経へ
3 胃経 足陽明胃経 ST 45 午前7時~9時 脾経へ
4 脾経 足太陰脾経 SP 21 午前9時~11時 心経へ
5 心経 手少陰心経 HT 9 午前11時~午後1時 小腸経へ
6 小腸経 手太陽小腸経 SI 19 午後1時~3時 膀胱経へ
7 膀胱経 足太陽膀胱経 BL 67 午後3時~5時 腎経へ
8 腎経 足少陰腎経 KI 27 午後5時~7時 心包経へ
9 心包経 手厥陰心包経 PC 9 午後7時~9時 三焦経へ
10 三焦経 手少陽三焦経 TE 23 午後9時~11時 胆経へ
11 胆経 足少陽胆経 GB 44 午後11時~午前1時 肝経へ
12 肝経 足厥陰肝経 LR 14 午前1時~3時 肺経へ
合計309穴

十二経脈の経穴数は片側の標準数を合計すると309穴です。任脈24穴と督脈28穴を加えた14経脈の標準経穴は合計361穴になります。

陰経と陽経を組み合わせる6つの表裏関係

表裏関係は、陰経と陽経を一組にして臓腑・流注・配穴の関係を整理する考え方です。表裏経に同時に反応があっても、二つの臓器に病気があると診断するものではありません。

陰経 陽経 五行 体表上の主な範囲
肺経(手太陰) 大腸経(手陽明) 金 胸・上肢前面橈側/上肢外側・顔面
脾経(足太陰) 胃経(足陽明) 土 下肢内側・腹胸部/顔・体幹前面・下肢前面
心経(手少陰) 小腸経(手太陽) 火 腋窩・上肢前面尺側/上肢後面・肩甲部・顔
腎経(足少陰) 膀胱経(足太陽) 水 足底・下肢内側・腹胸部/頭・背部・下肢後面
心包経(手厥陰) 三焦経(手少陽) 火(相火) 胸・上肢前面中央/上肢後面・耳・側頭部
肝経(足厥陰) 胆経(足少陽) 木 足・下肢内側・腹部/頭側面・体幹側面・下肢外側

手足・陰陽・三陰三陽の基本

手の三陰経

肺経・心包経・心経。主に胸部から上肢内側を通って手へ向かいます。

手の三陽経

大腸経・三焦経・小腸経。手から上肢外側を上り、頭顔面へ向かいます。

足の三陽経

胃経・胆経・膀胱経。頭顔面から体幹・下肢を下って足へ向かいます。

足の三陰経

脾経・肝経・腎経。足から下肢内側・腹胸部を上ります。

太陰・少陰・厥陰、陽明・太陽・少陽という名称は、経脈の位置関係や陰陽の段階を示す伝統用語です。光の当たり方や解剖学的深さだけで単純に決まるものではありません。

十二経脈・任脈・督脈と経穴コード

WHO方式では、肺経LU、大腸経LI、胃経ST、脾経SP、心経HT、小腸経SI、膀胱経BL、腎経KI、心包経PC、三焦経TE、胆経GB、肝経LRと表記します。任脈はCV、督脈はGVです。

十二経脈に任脈・督脈を加えた14経脈には361の標準経穴があります。奇穴、耳穴、流派独自の反応点などは別に整理します。コードは経穴名の翻訳ではなく、言語が違っても同じ標準位置を参照しやすくする識別記号です。

子午流注と2時間ごとの時間帯

子午流注では各経脈に2時間ずつの時間帯を配当します。生活リズムや一日の変化を考える伝統的な枠組みですが、その時間に痛む、目が覚める、トイレへ行くという事実だけで臓器や経脈の異常とは診断できません。

  • 症状が出た時刻に加え、食事・睡眠・仕事・運動・服薬を記録する
  • 毎日同じ時刻か、偶然かを確認する
  • 強さ、持続時間、随伴症状を記録する
  • 時間理論だけで必要な検査や治療を遅らせない

鍼灸施術で十二経脈をどう使うか

経絡治療では望診・聞診・問診・切診などから東洋医学上の証を考え、本治法と標治法を組み合わせます。一方、現代医学上の診断、受診歴、服薬、痛む動作、感覚・筋力なども別に確認します。

本治法

証や経脈の関係を手掛かりに、主に手足の経穴から全体の施術方針を組み立てます。

標治法

現在困っている痛みや局所の所見に応じて経穴を選びます。単なる「対症療法」とは限りません。

同じ病名でも使用する経穴は一律ではなく、同じ経穴でも目的や刺激量は異なります。経穴を多く使うほど良いわけではなく、施術前後で本人が確認できる症状・動作・生活の変化を見直します。

経穴を安全に扱うための注意

🚑 次の症状は経穴刺激より医療機関を優先
  • 突然の激しい頭痛、意識・言葉の異常、片側の麻痺
  • 胸痛、呼吸困難、冷汗、失神
  • 強い腹痛、吐血、黒色便・血便
  • 高熱、急速に広がる腫れや赤み
  • 大きな外傷、変形、体重をかけられない状態
  • 妊娠中の出血、破水疑い、強い腹痛、胎動減少

自宅では指で軽く押す程度にとどめ、鍼、刺絡、強い灸を自己流で行わないでください。眼周囲、前頸部、胸部、上背部、腹部、鼠径部、膝窩などは特に重要な組織が近く、資格者でも解剖学と安全手順に基づく判断が必要です。

十二経脈についてよくある質問

十二経脈と経絡は同じですか?

経絡は経脈と絡脈を含む広い言葉です。十二経脈はその中心となる12本の正経を指します。

十二経脈には経穴が全部でいくつありますか?

12経脈の標準経穴は合計309穴です。任脈24穴・督脈28穴を加えた14経脈では361穴になります。

左右にあるので618穴ですか?

身体上の部位数として左右を数える考え方はありますが、経穴の標準数は経穴名・コードの種類を数えます。そのため十二経脈は309穴と表現します。

経脈は画像検査で見えますか?

神経や血管のような一本の解剖学的管として画像検査で確認するものではありません。経脈は東洋医学上の機能的・診療的なモデルです。

痛む場所と同じ経脈のツボを押せば治りますか?

保証できません。痛みの原因は外傷、神経、関節、内臓疾患など多様です。軽い押圧はセルフケアの一つですが、強い痛みや悪化がある場合は原因の評価を優先します。

執筆・内容確認:野村 繁樹

はり師・きゅう師・柔道整復師。伝統理論と現代医学の役割を区別し、安全な一般情報として十二経脈を整理しています。

参考情報

  1. WHO standard acupuncture point locations in the Western Pacific region
  2. 全日本鍼灸学会雑誌|鍼灸安全対策ガイドライン2025年版の改訂ポイント
  3. NCCIH|Acupuncture: Effectiveness and Safety

免責事項:本記事は十二経脈と経穴に関する一般的な情報であり、個別の診断・治療・施術効果を保証するものではありません。強い症状や急な悪化がある場合は医療機関へご相談ください。

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