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うつ病の原因

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うつ病の原因

 

うつ病の原因は明確にはわかっておりません。その為、様々な仮説が立てられております。その仮説の代表的な説をご紹介いたします。

モノアミン仮説

 モノアミンとは、神経と神経の間を結ぶシナプスと呼ばれる部位に存在する神経伝達物質の内、アドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミン・セロトニンを総称して呼びます。

 うつ病の薬剤作用機序を解明する段階で生まれた仮説がモノアミン仮説です。

 これは、1952年に結核菌に対する薬物としてモノアミン酸化酵素阻害作用を持つ薬剤の副作用として精神賦活作用が認められました。また、その4年後の1956年にはモノアミンの降圧薬であるレセルピンの服用者がうつ状態になる事が認められました。これらの事を考慮してモノアミン仮説が提唱されました。

 モノアミン仮説とは、うつ病がノルアドレナリンおよびセロトニンの分泌量の低下が原因であるとする仮説です。

モノアミン仮説がたてられた根拠

.レセルピンやテトラべナジンによってモノアミンが減少すると鬱状態が引き起こされる。

.モノアミン酸化酵素阻害薬の働きを抑制することによってうつ病状態が改善する。

.ノルアドレナリンが分解されると3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルエチレングリコール(MHPG)となって尿中に排出されます。うつ病患者さんの尿中MHPG濃度が健常者に比べて低い。

.セロトニン(5-HT)が分解されると5-ヒドロキシインドール酸(5-HIAA)となって尿中に排出されます。うつ病患者さんの尿中5-HIAA濃度が健常者に比べて低い。

.5-HTの元となるヒドロキシトリプタミンの摂取によってうつ状態が軽減する。

このようなデータからモノアミン仮説が提唱されました。
ただし、モノアミン仮説だけでは説明がつかない事が存在します。

.レセルピンを服用した人すべてがうつ病になるわけではない。

.モノアミン再取り込み阻害薬であるコカインやアンフェタミンには抗うつ効果はない。

.ミアンセリンやセチプリンなどの抗うつ薬には、モノアミン再取り込み阻害症がないにもかかわらず抗うつ効果がある。

これらがモノアミン仮説の矛盾点と言われています。

受容体仮説

 モノアミンの減少や欠乏のみでは、自律神経失調症やうつ病の発症が説明できないことから受容体仮説が提唱されました。この仮説は、モノアミンなどの神経伝達物質ではなく、これらを受容する受容体側の機能障害によって自律神経失調症が発症するという仮説です。

 もともと神経伝達物質の受容体は、神経伝達物質の分泌量が増えるとdown regulationと呼ばれる受容体数の減少反応と、逆に神経伝達物質の分泌量が減るとup regulationと呼ばれる受容体の増加反応があります。過剰なストレスによって受容体の感受性が低下するdown regulationが起こるのがでは、神経伝達物質の増加に伴い受容体の感受性が低下するのが正常ですが、自律神経失調症やうつ病の場合には感受性が低下せず、逆に感受性が亢進しています。

 受容体の感受性の亢進は、ノルアドレナリンに対する感受性亢進とセロトニンに対する感受性亢進のどちらが起こっているかわかっていません。最初に、受容体の感受性が亢進したのか?それとも、モノアミンの分泌量が低下することによって感受性が上昇しているのか?明らかではありません。

ノルアドレナリンが問題と考える仮説の理由
.ノルアドレナリンは認知や気分・情動・運動などの調節に関与し、ノルアドレナリンの障害は注意力・集中力の低下の原因になる。
.うつ病の自殺者の死後脳ではノルアドレナリンのβ受容体数が増加している。
このような理由で、うつ病の原因がノルアドレナリンの異常と考えます。

セロトニンが問題と考える仮説の理由
.ストレスがかかるとセロトニン受容体数が増加する。
.うつ病自殺者やうつ病の方の死後脳でセロトニン受容体数が増加している。

受容体説の矛盾点
.全ての抗うつ薬がβ受容体を減少させるわけではない。
.セロトニンおよびノルアドレナリンの再取り込み阻害薬(SSRI・SNRI)ではβ受容体やセロトニン受容体数の減少は認められない。

これらの問題によって受容説は仮説となっています。

視床下部ー下垂体ー副腎皮質系障害仮説

 ストレスに対して身体は対応しようとします。この対応には視床下部ー下垂体ー副腎皮質(hypothalamic-pituitary-adrenal axis:HPA系)があります。

 具体的には、ストレスに対して視床下部から副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)が分泌され、このホルモンが脳下垂体に作用して副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を分泌させます。次に、ACTHが副腎皮質に作用してコルチゾル(糖質コルチコイド)が分泌されます。コルチゾルは、血圧上昇や血糖値上昇を通じて、ストレスに対して対応できるように準備をします。

 この反応はセリエのストレス反応としても有名な学説です。

 この反応は長時間継続するわけではありません。健常者では過剰なコルチゾルが分泌されると、海馬・視床下部・脳下垂体のフィードバック機能によって短時間で基の状態に戻ります。ですが、自律神経失調症やうつ病の方の中には、コルチゾルの慢性的分泌量増加、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンの分泌亢進、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンに対する脳下垂体の反応の低下、副腎皮質の肥大などが認められます。

 これは、自律神経失調症やうつ病の方では視床下部ー下垂体ー副腎皮質系のフィードバック機能がうまく働けないことによって起こっているのではないかと考えられています。

 コルチゾルが神経系に与える影響として、海馬への影響があります。コルチゾルが慢性的に分泌亢進する疾患であるクッシング病や強度の心的外傷後ストレス障害(PTSD)の場合、長期間のストレス環境が与えられることによって海馬の容積減少や全糖善弥の変性、認知機能障害が認められるようになります。海馬は、記憶や学習に関与する脳です。
 うつ病や双極性障害の死後脳を用いた研究では、前頭前野膝下野の神経細胞の減少、人格の発現や適切な社会的行動の調節に関わっているとされている前頭前野背外側部および意思決定や認知処理に関わっているとされる眼窩前頭野の細胞萎縮、視床下部の細胞増加が認められます。

神経細胞新生・神経可塑性仮説

 以前は、神経細胞は増えないと考えられていました。ですが、近年の研究によって特定の部位のみではありますが必要な神経細胞は増えるということが分かってきました。この特定の場所とは、記憶を司る海馬や脳室周辺の細胞です。自律神経機能が低下したうつ病の状態では、海馬の神経細胞が減少していることが知られています。つまり、海馬における神経細胞の新生障害がうつ病の原因ではないかと考えられるようになってきました。ですが、海馬の神経細胞の新生が大脳皮質の機能を補っているとは考えらません。そのため、海馬の神経細胞の新生と神経の可塑性が関与すると考えられています。可塑性とは、外界の力に対応するために変化するための能力のことをいいます。この神経の可塑性が障害されたときに、神経伝達がうまくいかなくなりうつ病が発症するのではないかという仮説です。

 実際に、強いストレスに慢性的に接すると海馬周辺の神経細胞数が減少するという動物による実験結果もでています。このデータからみても海馬周辺の神経細胞の減少とストレスには関連があることが分かります。また、可塑性の障害によって神経伝達物質の伝達障害によってうつ病が起こるという仮説とも重なるところがあります。

つまり、うつ病は様々な脳の中での要度が絡み合って起こっていることが分かります。

遺伝因子

 うつ病の原因に遺伝が関連していると考えられる事があります。ですが、実際にうつ病の発症には遺伝の関連は強くありません。遺伝とは、遺伝子によって決定される因子です。つまり、うつ病が遺伝によって起こっていると考えるのであれば、うつ病の遺伝子を持っていれば優性遺伝や劣性遺伝、伴性遺伝等の遺伝形式によってほぼ確実に発症するということになります。ですが、うつ病の発症はこのような遺伝の法則には従わずに発症していることが分かっています。

 ですが、遺伝とは全く関係がないかといわれると関連する因子も見つかっています。つまり、うつ病の発症に関しては、遺伝によって発症が決定されるのではなく、うつ病が発症しやすい傾向があるという程度のものです。ちなみに、遺伝が関連している因子とは第17番染色体に存在する、セロトニントランスポーター(5-HTT)の染色体です。5-HTTはは、シナプスから分泌されたセロトニンを再取り込みするものです。

 この染色体に何らかの問題があって、さらに性格的特徴が重なってうつ病の発症の危険性が高まります。つまり、うつ病の発症は遺伝だけで決定されるものではありません。

内因子

 うつ病は、失恋や離婚、事故、親しい人との死別、また会社からのリストラなど、その人の思いではどうすることもできない事実に突き当たった時に発症することが多くあります。
 これらの心因性の問題によって発症したうつ病は、起こった事実に対する心因反応ということができます。このように、心因反応によってうつ病が起こる場合が多いのは事実です。ですが、全く要因なく引き起こされていることもあります。このような場合には、外因性の問題ではなく内因性の原因によって起こっている可能性があります。この内因性の原因こそが、性格的な要素となります。

 うつ病が起こる主な性格的特徴は『真面目』『几帳面』『責任感が強い』『面倒見がよい』『努力家』等の特徴があります。これらの特徴が全てあてはまると、うつ病は特に発症しやすいということになります。ですが、これらの性格的特徴の中でどれか一つであっても特に強い性格の場合にはうつ病にかかりやすいと考えられています。

 このような性格的特徴にあてはまる場合には、何を行うのにも頑張りすぎてしまい力が入ってしまっていることがあります。少しリラックスして日常生活を送ってみてはいかがでしょうか?そうすることで、うつ病の症状を軽減できるかもしれません。

生活環境因子

 うつ病の発症要因に住環境や仕事の環境があると言われています。仕事の人間関係がうまくいかない場合に発症しやすいということをご存じの方は多いと思います。ですが、仕事についていないということもうつ病を引き起こす要因になります。特に半年以上の間、仕事についていない場合には発症確率が高まるという統計もあります。これは、自分の中に閉じこもってしまうためにマイナス思考となってしまうことによって発症するのではないかと考えています。

 居住環境としては、やはり都会で生活している方にうつ病の発症確率は高まっています。この確率は2倍以上といわれています。これには、大都市圏では生活環境が乱れていることが多く、睡眠のリズムや食事のリズムが安定しないため、そして人間関係のストレスが強いためと考えられます。

このように考えると、適度な人間関係は生きていく上では重要ですが、多くなり過ぎることによってストレスとなると考えられます。また、生活リズムを安定させる事で自律神経が安定することも考えられます。

 過去を振り返ることは非常に重要なことです。ですが、過去のことにとらわれてしまうと今現在の自分が空虚な状態となってしまいます。このような状態にならないためにも今現在の状態に目を向けるようにしましょう。そうすることで、うつ病を悪化させずにすみます。

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制作者 野村 繁樹
国家資格:柔道整復師・鍼師・灸師

2003年に大阪市淀川区に鍼灸整骨院を開業。専門は漢方医学・東洋医学
2012年 アメリカ合衆国オバマ大統領からGOLD AWARD
2015年 国連機関WHFから鍼灸スペシャリスト認定

 

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