- 大切な用事がある時におなかが痛くなる
- 電車や会議、授業等トイレに行きにくい環境でトイレに行きたくくなる
- 下痢や便秘を繰り返す
- ガスが溜まってお腹が張る
上記の症状は過敏性腸症候群で認められやすい症状です。
トイレに行きにくい環境で腹痛を感じたり、トイレに行きたくなるため仕事や学業に問題が現れることも少なくない過敏性腸症候群。ストレスが関与している可能性が高い疾患として最近急増している疾患です。
過敏性腸症候群のタイプ
過敏性腸症候群は大きく下記の3つのタイプに分類されます。
- 便秘型過敏性腸症候群
- 下痢型過敏性腸症候群
- ガス型過敏性腸症候群
便秘型過敏性腸症候群
便秘型過敏性腸症候群の特徴は便秘です。症状の程度は人によって異なり、緊張する環境になったら便秘になりやすい軽度から慢性的に便秘状態が継続する方もいらっしゃいます。
緊張する環境で便秘になりやすい程度の症状であれば経験したことがある方も多いのではないでしょうか?例えば、旅行に行くと便秘になる等も含まれます。見方を変えると、この程度であれば過敏性腸症候群の症状として考える必要はないのです。
ですが、慢性的に便秘が続く状態になるとお腹の張りや腹痛等が現れるようになり、日常生活に問題が現れるようになります。このような状態になれば過敏性腸症候群の治療を受ける方が良いでしょう。
下痢型過敏性腸症候群
緊張することがあると下痢をしてしまうのが下痢型過敏性腸症候群です。緊張状態が解消すると下痢も解消することが多く、再び同じような緊張状態になるとまた下痢をする症状を繰り返します。
下痢型のもう一つの特徴は、トイレに行って排便した後にも残便感(まだ残っている感覚)が続き、何度も何度もトイレに行くこともありますが、実際にトイレに行って排便しようとしてもできない、またはごく少量の排便という事がほとんどです。
さらにトイレがない環境、行けない環境に行くだけでも便意を感じ、そのような環境に行けなくなってしまう事もあります。
ガス型過敏性腸症候群
お腹にガスが溜まることでお腹が張って痛んだり、ガスが排出されることによる匂いが気になり、日常生活に問題が発生するのがガス型過敏性腸症候群です。このタイプは特に女性に多い特徴があります。
特に自然と漏れてしまったり我慢しきれず漏れてしまう事が問題となり外出ができなくなる方もいらっしゃいます。
ガス型は胃腸の状態を改善しようと、一般的な野菜食やヨーグルト摂取などで症状が悪化する傾向もあるので注意が必要です。
過敏性腸症候群が発症したら・・・
何科を受診する?
過敏性腸症候群が発症したらまずは内科を受診し腸に問題がないことを確認することが大切です。もし腸の構造に何らかの問題が見つかった場合には、その問題を解消することが第一選択になります。
内科の検査を受けても問題がないことが確認された場合には自律神経系の問題として過敏性腸症候群を考える必要があるでしょう。
そのため自律神経機能を測定することができる医療機関を受診すると良いでしょう。
セルフケア
過敏性腸症候群の原因にはストレスと生活習慣が関与すると考えられています。そのためストレスを遠ざけ正しい生活習慣を身に着けることが大切です。ですが、ストレスを遠ざけるということは現実的にむつかしいことが多く簡単にはいきません。
ここでは実行可能な対策をご紹介いたします。
ストレスに対する能力の向上
ストレスを避けたとしても、また別のストレスが加わることがほとんどです。そのためストレスに対する抵抗力を向上させることが重要となります。
ストレスに対する抵抗は神経伝達物質であるカテコールアミン(アドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミン等)の分泌が関与します。そのためこれらの神経伝達物質が適切な量分泌されるようになれば、必然的にストレスに対する抵抗力は向上すると考えられています。
これらの神経伝達物質の分泌量は運動と関連しているため、適度な運動を行うことが重要です。
食生活の見直し
胃腸は食事と関係が深い臓器で、身体にとって有害なものや体質に合わない物の摂取が続くと過敏性腸症候群の発症リスクは高まってしまいます。特に下痢型とガス型の方は、症状が強まる食事を特定できるようであればその物質をやめることが重要です。